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    15、初七日法要と納骨



火葬した遺骨は自宅に持ち帰り、「あと飾り」の祭壇に安置します。そのあと「還骨勤行」「初七日法要」そして精進落しを行ないます。
遺骨を迎える準備
(1)「あと飾り」の祭壇は、遺骨が到着する前に、遺族の誰かが残って準備をします。
(2)霊柩車が出発したら、葬儀祭壇を片づけて、手早く部屋の掃除をします。
(3)仏壇のある部屋なら仏壇の前、仏壇がなければ部屋の北か西側に「あと飾り壇」を設置します。
(4)壇の上に焼香台や生花などを飾ります。
(5)玄関先には手洗いの水を入れた洗面器と、ひしゃく、手ぬぐい、それに清め塩を入れた皿を用意します。
(6)本膳(精進落し)の席の準備をします。一般に仕出し屋に頼んだり、料亭に席を設けたりすることが多くなっています。仕出し屋には、前もって注文しておきます。
清めの塩
火葬場や墓地から戻り家に入るときには、まず塩と水で体を清めます。
(1)清め方は、家に残っていた手伝いの人が、ひしゃくで水をすくい、帰宅した人に両手にかけ、手ぬぐいを手渡します。
(2)次に塩をとって、正面向きで胸や背中に塩を一振りしてお清めを終わります。
最近では「清め塩」だけのようです。
遺骨を祭壇に安置する
(1)家に入ったら、喪主は骨箱をあと飾り壇の中央に安置して、その前に遺影や位牌を飾ります。
(2)祭壇にはそのほか香炉、燭台、生花、供物、水などを供えます。
(3)このあと、僧侶に還骨勤行の読経をしていただき、一同が焼香します。
(4)あと飾りの祭壇は、四十九日の忌明けまで飾り、その間は遺骨も仏壇の中に入れません。
精進落し
初七日法要のあと、僧侶の方をはじめ、葬儀の手伝いなどでお世話になった人たちに、酒や料理をふるまう会食の宴を設けます。
このときの料理は、魚や肉なども出しますので「精進落とし」といいます。これは葬儀関係者の労をねぎらうための宴ということになります。
精進落しのふるまい
(1)精進落としの宴では、僧侶や世話役などが上座にすわり、友人、近親者などがそれに続き、喪主や遺族は末席に着きます。
(2)料理には、軽くビールやお酒を出します。喪主や遺族は、関係者の席を回り、一人一人に酒をすすめて、労をねぎらいます。
(3)宴を開かない場合には、折詰めを配ったり、お金を贈って精進落しの宴に代えたりします。
(4)僧侶をお招きできない場合には、通夜ぶるまいのときと同様に、「御膳料」を包んでさし出します。

葬儀のあとに「初七日法要」を行なうことが多くなって来ました。一方納骨は、四十九日の忌明け法要の際に行なうことが一般的です。

納 骨
先祖代々の墓がある場合には、すぐにでも遺骨を墓に納めることが出来ます。しかし納骨は、四十九日の満中陰が過ぎたときに行なうことが多いようです。この時には僧侶に読経を頼みますが、これを納骨法要といいます。
納骨の順序
お墓に納骨する場合、骨壷のまま納める場合と、骨壷の中の遺骨だけを納める場合があります。これは墓石の内部の構造によって異なります。
法要に際しては、線香と供花を供え、次に僧侶による読経、焼香を行ないます。そして納骨を行います。なお、公園墓地などの場合、法要の終了したあと、供物を持って帰ることがエチケットとなっています。
埋葬許可証
火葬が終わったあと、すぐに納骨する場合はともかく、四十九日まで納骨しない場合には、「埋葬許可証」は骨壷と一緒に骨箱に入れておくと安心です。いよいよ納骨する場合、寺院の場合には住職に、公園墓地の場合には管理事務所に、「埋葬許可証」を提出します。
会葬の礼状は告別式が終わったあと、受付で会葬者一人一人に手渡すことが多くなりました。本来ならば喪主が一人一人会葬のお礼をのべる代わりに、礼状によって行う習慣が定着しています。

 


葬儀のしきたり
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