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    3、死亡届



死亡原因には、病気による死亡の他、交通事故死、海や山での遭難死、そして自殺や他殺など、さまざまあります。ガンなどあらかじめ死亡時期がわかっていても、いざ死を迎えるとなると、遺族の悲しみははかり知れないものですが、冷静に対処しなければならない場合があります。 病気によって死亡した場合には、医師から死亡診断書が発行されすぐにも死亡届けを出せますが、それ以外の死因(変死、自殺、他殺など)では、警察の取り調べがあったり、行政解剖に回されたりして時間がかかることがあります。
病院で死亡したとき
病院での死亡は、ほとんどの場合、死因がはっきりしているので、病気による自然死としてすぐに死亡診断書を出してくれます。しかし交通事故や火傷などで死亡した場合には、外因死として警察医による死体検案が必要となります。
自宅で死亡したとき
自宅で死亡した場合、一刻も早く医師に連絡して来てもらいます。
(1)故人が加療中であったら、主治医師による死亡の確認が先決ですので、医師が死亡を確認し、死亡診断書を書くまでご遺体に手をふれたり、ご遺体を動かしてはなりません。
(2)加療中でない急死などの場合や、日曜祝日で病院がお休みの場合には、110番に連絡し、警察医に確認してもらいます。この場合、たとえ老衰死であっても、死因を知るために警察医による死体検案が行なわれることがあります。
事故死、変死、自殺などのとき
交通事故など突発的な事故で即死したときや、自殺や他殺など不自然な死のときには、警察医による検死(行政解剖)が必要となります。
(1)行政解剖されるご遺体は、監察医務院等に運ばれ、そこで検視を受けたあとで遺族に戻され、自宅に帰ることができます。
(2)他殺の疑いのあるときには、「司法解剖」に回されてご遺体の帰還が遅れることもあります。
(3)検死が終わったら、警察医から死体検案書が交付されます。
(4)海や山で遭難したときには、遭難現場に近い警察と役場に届け出なければご遺体は動かせません。
(5)遠隔地で死亡した場合には、損傷の程度や死亡からの日数などを考慮して、遺族が現地に出向き、そこで火葬して遺骨を持ち帰ることもあります。

人が死亡したときは、戸籍法で一週間以内に死亡届を出すことが定められています。
(1)死亡届は、所定の用紙に、死亡年月日、時 間、死亡場所、性別、職業、配偶者の有無、生存配偶者の生年月日などを記入し、医師の署名のある死亡診断書とともに提出します。
(2)死亡届は、死亡した土地の市区町村役場の戸籍係に届け出ます。
(3)病院や旅先などで亡くなったときは、病院の所在地や旅先の市区町村役場へ提出します。
(4)死亡した土地が本籍地でないときは、死亡届けを2通提出することになっており、1通は本籍地の役場に送付されて、戸籍から抹消されます。(役所が適当と認めたときは、1通で足りることもあります。) 

死亡届を行う人
(1)同居の親族
(2)親族以外の同居者
(3)家主、地主または土地家屋の管理人となっています。しかし、実際には遺族は連絡や通夜の準備などで余裕がありません。そこで、必要事項の記入をすませたら、あとは葬儀社社員か親族などに代行してもらうことが多いようです。

<※ポイント>

届出には手数料は不要ですが、届出人の印鑑が必要です。
提出期限
(1)死亡届は、死亡した日から七日以内に提出することになっています。
(2)この死亡届を出さないと、火葬に必要な「埋火葬許可証」を発行されないので、実際には、死亡当日か翌日には出すことになります。そのため、役所では休日や夜間でも受付ています。
死亡診断書
死亡診断書は故人の死に立ち会った医師の署名捺印したものでなければ認められません。普通は死因に不審な点がなく、臨終のときに医師が立ち会っていればすぐに「死亡診断書」を書いてもらえます。

<※ポイント>

死亡診断書は、保険金や遺族年金などの請求に必要になりますので、あらかじめ2通書いてもらうとよいでしょう。
死体検案書
自殺や事故死、変死などの場合には、警察医によって検視が行われたあと「死体検案書」が交付されます。死亡届の際にはこの「死体検案書」を提出します。
火葬(埋葬)許可証
火葬および納骨をするためには、火葬(埋葬)許可証が必要です。
(1)死亡届の用紙に必要事項(死亡者の本籍地、現住所、氏名、性別、生年月日、死因、死亡年月日時、死亡場所、火葬を行う場所、申請者の住所と死亡者との続柄等)を記入し、届出をしますと、「火葬許可証」が交付されます。
(2)「火葬許可証」を火葬場に提出すると、火葬が終わった時点で、終了した日時を記入して返してくれます。これが「埋葬許可証」になり、納骨時に寺院、墓地の管理事務所に提出します。

<※ポイント>

「埋葬許可証」は5年間の保存義務があります。

 


葬儀のしきたり
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