葬儀、告別式の式次第は、宗派や式の規模によって多少異なりますが、一般的には次のような順序で行われます。▼葬 儀▲
▼告別式▲
(1) 遺族、参列者着席 (2) 開式の辞 (3) 僧侶入場 (4) 読経 (5) 弔辞、弔電の奉読 (6) 読経 (7) 遺族、近親者焼香(読経中) (8) 僧侶退場 (9) 閉式の辞
▼遺族、参列者の着席▲葬儀と告別式を区別しない場合には、葬儀のあと僧侶の合図に従って一般参列者の焼香を始めます。
(1) 僧侶入場 (2) 開式の辞 (3) 読経 (4) 参列者焼香(読経中) (5) 僧侶退場 (6) 閉式の辞
また葬儀(7)の遺族、近親者の焼香に引きつづいて、参列者も焼香して告別式をすませることもあります。
通夜の席と同じように、▼開式の辞▲
(1) 祭壇に向かって右側が遺族席、前列の中央寄りが喪主の席です。 (2) 世話役と友人、知人など一般参列者は左側に着席します。 (3) 遺族、近親者は式が始まる10分くらい前までに着席するようにします。 (4) 焼香も通夜と同様にこの順序で行います。
司会者の開式のあいさつによって、葬儀が始まります。▼僧侶入場▲
「本日はご多忙中のところを、ご臨席いただきましてありがとうございます。ただいまより、故○○殿の葬儀、ならびに告別式を執り行います」
といった意味のあいさつをして、式に入ります。
▼読 経▲
(1) 参列者が着席したのを確かめてから、世話役が僧侶を式場へ誘導します。 (2) 僧侶が見えたら、一同頭を下げて迎えます。 (3) 椅子席の場合は、全員起立して一礼したあと、僧侶が祭壇前に着座されてから着席します。
死者の冥福を祈り、浄土に往生することを祈願して、僧侶による読経が行われます。▼弔辞、弔電の披露▲
読経の時間は、宗派や葬儀の規模にもよりますが、30〜40分ぐらいです。禅宗などでは、この読経の際に、死者を悟りの世界に導く「引導」が渡されます。
▼遺族、近親者の焼香▲
(1)
司会者があいさつをして、弔辞をお願いする方を次のように呼び上げます。
「ただいまより弔辞を頂戴いたします。始めに、○○殿お願いいたします」(2)
弔電は時間の都合で、全部の方に読んでいただけないときには、姓名だけを呼び上げて、あとは省略します。 (3) そのあと「弔電を奉読させていただきます」と述べて弔電奉読に入ります。 (4)
弔電は届いたものを、せいぜい二、三通を読み上げるのが普通で、あとは「ほかに○○通ちょうだいいたしておりますが、時間の都合もありますので、お名前だけ紹介させていただきます」と、お断りして姓名や職場団体名を読み上げます。
▼僧侶退場▲
(1) 僧侶の中で最も中心的な僧侶である「導師」がまず最初に焼香し、そのあと再び読経が始まります。 (2) 読経がつづく間に、喪主から順に焼香を始めます。 (3) 大規模な葬儀では、司会者が焼香者を順に呼び上げることもあります。
▼告別式▲
(1) 大規模な葬儀の場合、僧侶は一同の焼香がすんだころに読経を終えます。 (2) 僧侶は告別式に移るまでいったん退場します。 (3) このとき、遺族、近親者など参列者は一礼して送ります。葬儀からそのまま、告別式につづく場合には僧侶は退場しません。
▼最後の対面▲
(1)
葬儀に引きつづいて告別式に移る場合には、僧侶の退場はなく、読経中に一般参列者の焼香を受けます。その場合には、遺族は参列者の方に向きをかえて参列者に焼香の礼を返します。 (2)
大規模の葬儀の場合には、葬儀の終了後、10分くらい休憩したのちに、再び遺族は祭壇前に着席し、僧侶を迎えて告別式を行います。 (3) 僧侶の読経が始まったら、一般参列者は順に焼香を行います。 (4) この間、遺族は参列者一人一人に黙礼をします。 (5) 参列者全員の焼香がすむと、僧侶は読経を終えて、退場しますので、一同は頭を下げます。 (6) このあと司会者が閉式のあいさつを述べて告別式は終わります。
▼釘打ち▲
(1) 告別式が終わると、親族による故人との最後の別れを行ないます。 (2) 葬儀社の人によって棺が運ばれ、棺のふたがあけられ、別れの対面が行われます。 (3)
喪主、遺族、近親者および、故人と特に親し かった人々によって、対面が行われます。
このとき祭壇に供えられていた花を、各人の手でご遺体の周りに飾る「別れ花」をします。(4)
対面が終わったら、納棺の際に故人愛用の品などをいっしょに納めます。ただし、燃えない物や、遺骨をよごすおそれのあるようなものは入れることができません。
▼出 棺▲
(1) 最後の対面がすむと、葬儀社の人によって棺のふたが閉じられ、「釘打ち」の儀が行なわれます。 (2)
釘打ちは、喪主から始め、遺族、近親者、友人と故人とゆかりの深い順に、1人が2回、こぶし大の石を使って軽くトントンと打ちます。 (3)
この小石は、三途の川の河原の石を意味するものといわれ、無事に冥途にたどりつけるように願って打ちます。
(1)
棺のふたが閉ざされたら、親族や故人の友人などの男性が、ご遺体の足のほうを先にして運び出し、霊柩車におさめます。 (2) このとき、遺族も棺について行きます。 (3) 喪主は、棺の前に位牌を胸に持って立ち、次の者が遺影を持ちます。 (4)
喪主が高齢や病気などの理由で火葬場に行かない場合には、喪主の次の順位の遺族が位牌を、その次の者が遺影を持ちます。 (5) 以下、骨箱、供花などを分け持って、棺のあとにつづきます。