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    12、葬儀の進行



葬儀、告別式の式次第は、宗派や式の規模によって多少異なりますが、一般的には次のような順序で行われます。
葬 儀
(1) 遺族、参列者着席
(2) 開式の辞
(3) 僧侶入場
(4) 読経
(5) 弔辞、弔電の奉読
(6) 読経
(7) 遺族、近親者焼香(読経中)
(8) 僧侶退場
(9) 閉式の辞

告別式
(1) 僧侶入場
(2) 開式の辞
(3) 読経
(4) 参列者焼香(読経中)
(5) 僧侶退場
(6) 閉式の辞
葬儀と告別式を区別しない場合には、葬儀のあと僧侶の合図に従って一般参列者の焼香を始めます。
また葬儀(7)の遺族、近親者の焼香に引きつづいて、参列者も焼香して告別式をすませることもあります。
遺族、参列者の着席
通夜の席と同じように、
(1) 祭壇に向かって右側が遺族席、前列の中央寄りが喪主の席です。
(2) 世話役と友人、知人など一般参列者は左側に着席します。
(3) 遺族、近親者は式が始まる10分くらい前までに着席するようにします。
(4) 焼香も通夜と同様にこの順序で行います。

開式の辞
司会者の開式のあいさつによって、葬儀が始まります。
「本日はご多忙中のところを、ご臨席いただきましてありがとうございます。ただいまより、故○○殿の葬儀、ならびに告別式を執り行います」
といった意味のあいさつをして、式に入ります。
僧侶入場
(1) 参列者が着席したのを確かめてから、世話役が僧侶を式場へ誘導します。
(2) 僧侶が見えたら、一同頭を下げて迎えます。
(3) 椅子席の場合は、全員起立して一礼したあと、僧侶が祭壇前に着座されてから着席します。

読 経
死者の冥福を祈り、浄土に往生することを祈願して、僧侶による読経が行われます。
読経の時間は、宗派や葬儀の規模にもよりますが、30〜40分ぐらいです。禅宗などでは、この読経の際に、死者を悟りの世界に導く「引導」が渡されます。
弔辞、弔電の披露
(1)

司会者があいさつをして、弔辞をお願いする方を次のように呼び上げます。
「ただいまより弔辞を頂戴いたします。始めに、○○殿お願いいたします」

(2)

弔電は時間の都合で、全部の方に読んでいただけないときには、姓名だけを呼び上げて、あとは省略します。
(3) そのあと「弔電を奉読させていただきます」と述べて弔電奉読に入ります。
(4)


弔電は届いたものを、せいぜい二、三通を読み上げるのが普通で、あとは「ほかに○○通ちょうだいいたしておりますが、時間の都合もありますので、お名前だけ紹介させていただきます」と、お断りして姓名や職場団体名を読み上げます。

遺族、近親者の焼香
(1) 僧侶の中で最も中心的な僧侶である「導師」がまず最初に焼香し、そのあと再び読経が始まります。
(2) 読経がつづく間に、喪主から順に焼香を始めます。
(3) 大規模な葬儀では、司会者が焼香者を順に呼び上げることもあります。



僧侶退場


(1) 大規模な葬儀の場合、僧侶は一同の焼香がすんだころに読経を終えます。
(2) 僧侶は告別式に移るまでいったん退場します。
(3)

このとき、遺族、近親者など参列者は一礼して送ります。葬儀からそのまま、告別式につづく場合には僧侶は退場しません。


告別式
(1)

葬儀に引きつづいて告別式に移る場合には、僧侶の退場はなく、読経中に一般参列者の焼香を受けます。その場合には、遺族は参列者の方に向きをかえて参列者に焼香の礼を返します。
(2)

大規模の葬儀の場合には、葬儀の終了後、10分くらい休憩したのちに、再び遺族は祭壇前に着席し、僧侶を迎えて告別式を行います。
(3) 僧侶の読経が始まったら、一般参列者は順に焼香を行います。
(4) この間、遺族は参列者一人一人に黙礼をします。
(5) 参列者全員の焼香がすむと、僧侶は読経を終えて、退場しますので、一同は頭を下げます。
(6) このあと司会者が閉式のあいさつを述べて告別式は終わります。

最後の対面
(1) 告別式が終わると、親族による故人との最後の別れを行ないます。
(2) 葬儀社の人によって棺が運ばれ、棺のふたがあけられ、別れの対面が行われます。
(3)

喪主、遺族、近親者および、故人と特に親し かった人々によって、対面が行われます。
このとき祭壇に供えられていた花を、各人の手でご遺体の周りに飾る「別れ花」をします。
(4)

対面が終わったら、納棺の際に故人愛用の品などをいっしょに納めます。ただし、燃えない物や、遺骨をよごすおそれのあるようなものは入れることができません。



釘打ち

(1) 最後の対面がすむと、葬儀社の人によって棺のふたが閉じられ、「釘打ち」の儀が行なわれます。
(2)

釘打ちは、喪主から始め、遺族、近親者、友人と故人とゆかりの深い順に、1人が2回、こぶし大の石を使って軽くトントンと打ちます。
(3)

この小石は、三途の川の河原の石を意味するものといわれ、無事に冥途にたどりつけるように願って打ちます。


出 棺
(1)

棺のふたが閉ざされたら、親族や故人の友人などの男性が、ご遺体の足のほうを先にして運び出し、霊柩車におさめます。
(2) このとき、遺族も棺について行きます。
(3) 喪主は、棺の前に位牌を胸に持って立ち、次の者が遺影を持ちます。
(4)

喪主が高齢や病気などの理由で火葬場に行かない場合には、喪主の次の順位の遺族が位牌を、その次の者が遺影を持ちます。
(5) 以下、骨箱、供花などを分け持って、棺のあとにつづきます。

 


葬儀のしきたり
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