[前のページへ]  [次のページへ] 


    2、数珠



<現 状>
数珠は葬儀や法事などの仏事に持参するもので、一般に一連、単念珠が多く用いられています。
材質は透明な水晶や色の美しい珊瑚、渋い色の香木などがあります。
普通数珠は、持っている場合左手首にかけるか、房を下にして左手で持ちます。合掌の時には、両手の親指以外の指を輪の中に入れ、親指と人差し指で支えるようにします。自分とは違う宗派の葬儀に出席する場合にも、自分の属する宗派の数珠(各宗派共通)のものを持参しているようです。
宗派と数珠
宗派によっても数珠の形が異なりますが、略式のものなら、各宗共通に用います。真言宗の念珠は振分数珠と呼ばれ、八宗用に用いられることがあります。浄土宗の念珠は、仏名を数えながら数珠をくりますので、二つの輪違いに丸かんがついています。一般信者用としては、片手数珠が多く用いられています。日蓮宗の念珠は、読経唱題の数を記憶するために、百八個の数珠を用いることを勧めています。
男性用と女性用
市販の数珠には男性用と女性用があり、珠の大きさや色が違っています。
用い方
数珠を両手にかけ、親指で押さえるのが一般的です。焼香の時手のひらの中で数珠をこすりあわせますが、これは浄土宗では禁じられています。また浄土真宗の二輪で長房の数珠を使用する場合には、二つの親玉を親指の所ではさみ、房は左側に下げて合掌します。
いわれ
数珠は古来ヒンズー教のバラモンが儀礼用に用いていたもので、現在もヒンズー教徒の間で用いられています。その後、密教僧が用い始め一般仏教徒も用いるようになりました。数珠は「念珠」ともいい、念誦する題目などの数を記憶するために用いられました。念珠の珠の数は、人間の百八の煩悩を表しています。従ってもとは百八個の珠をつないでいましたが、百八では長すぎるので、二〜四分の一に省略して用いられています。日本に数珠が入ってきたのは天平八年(736年)、天竺僧の菩提仙那が来朝の際、天皇の献納品の一つであったといいます。

 


葬儀のしきたり
[前のページへ] [次のページへ]
[葬儀マナー事典 目次へ]